2007年に39歳で社長に就任し、鶏ちゃん文化啓蒙と地位向上のために「飛騨美濃鶏ちゃん協同組合」を設立。新米社長で会社の舵取りをどう進めるか悩み多き頃、知り合いの税理士先生の助言で「伸びている企業は社内に企業理念の看板がある」と。経験値として感じるとのことでした。先代では明文化した会社理念がないことを次代へのチャンスと捉え、わが社の理念を「進化する会社〜新たな行動をしよ う〜」と決めました。
あえて「食」を入れておりません。現在は鶏ちゃん中心ですが、将来も本業が「食」である確証はなし。日下部家でも約300年間に田畑、山林、養蚕など本業が変遷し、会社設立当時は養鶏業。企業が進化するためには新たな行動が必要で必ず課題が発生します。この課題解決こそが自身の成長となり、企業が進化する源泉と確信しており、社長就任で新たな行動を推し進めました。
まず会社理念看板の設置。そして今でいう働き方改革推進。完全週休2日実現、有給取得促進、おやつタイム延長、残業削減、機械化・省力化し1日 1万パック生産体制確立、外部機関による品質管理システム認証取得。商談では御用聞きスタイルから営業と物流を分離し新市場を求めて首都圏での展示会に出展。まだ鶏ちゃんをご存じない方が多くブルーオーシャンです。展示会出展は大変ですが楽しみもあり、近年は幕張にある熟成肉のおいしい店でわが社メンバーの英気を養います。
この頃に、他社の鶏ちゃんも県内外に広まり始め、岐阜の誇る鶏ちゃんに熱いメンバーが集まり 「鶏ちゃん合衆国」が12年に建国します。
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岐阜新聞 令和3年10月3日付 掲載
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